2、恋に勉強に充実していた大学4年生の春の話
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突然ですが、セラピスト仲間あるあるに「なぜ癒しの世界に入ったのか?」と聞かれたら、「ボロボロだった心身がアロマテラピーに出逢って癒されて元気になったから」という人が私の周りには多い。人生で自分の痛みをつくって限界を感じ、それを時間やお金を投資をして何かを学び取り、癒して、乗り越えた経験がある人たち。
私にとってもあったその経験は、癒しの世界に足を入れる一歩であり、仕事へと繋がって面白さを伝える側になるきっかけで、更に自分を癒していく扉を開くことになる、癒とは?という答えを追求するきっかけにもなったものだった。
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その経験は、大学4年生の春に遡る。
初めての恋人ができ、3年の時に全身全霊をかけて学年全体で作り上げたファッションショーが成功し、卒論と就職活動に忙しくも楽しい時。ズキッっと時々お腹が痛むようになった。なんだろう?と思いつつも、慢性の頑固便秘&冷え性の私は、自分の体よりも外側に向ける意識が強くて、自分を見つめる余裕なんて持とうとしなかった。
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今となってほんとうに、ばかものだなと思うけど、“自分の勘”は結構当たっているものだなと思う。
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数日間に一度のズキッが、時々うずくまるくらいに長引くようになって、お腹というより下腹部が痛み、「もしかしたら、婦人科系の問題なのかな」とよぎった。のに、私はスルーしてしまった。そうであってほしくないという気持ちがそうさせていた。
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「次の生理が来るまで様子を見てみよう」と思っていたけど、生理が来る前に、痛みで耐えられなくなる日を迎えてしまう。その日はあぶら汗がじんわり出るくらいに痛みが激しくなったので、お世話になっていた小さな町のお医者さんに行った。見た目も対応もいつも優しい先生が「私が勉強に通っている病院に紹介状を書くから、この後すぐに向かって」と真面目に言われてしまって、そのままタクシーへ乗り込み新宿方面に向かった。
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実はこの時、痛かったけど、「盲腸か、急性胃腸炎のようなもしれない」と言われたて、「たしか、ちびまる子ちゃんで、“ズンドコ”って痛みが結果、盲腸だったって話あったなあ…」と呑気に思い出していた。なんだろう。緊急時で痛い体を、心が緩和させようとしていたのかな。痛みの原因となる病名が分かってほっとしていたのかな。とにかく、ばかものは、大病院へ。
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大きな病院で初めて気付いたのは、日中と夜間や、分野(○○科など)が違う先生と、会う人会う人に経緯を話さなければいけないということ。
地元の病院で盲腸か消化器系の炎症と言われて、もうすぐ直してもらえるんだと安心したから、痛みが2割くらい楽になったけど、まだ痛い。やや朦朧とする中で3回くらい同じ話をして、全身を検査してもらって(初めてMRIもしたなあ)、なんと、盲腸じゃなことが発覚。
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がーーーーーん。
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夜も更けたその日は検査入院をすることに。ちびまる子ちゃんを思い出していたタクシー内で電話した母が、文字通り地元から車をぶっ飛ばし、他県の最終便で飛んできた。
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母の顔を見てほっとして、眠った夜。
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得丸稚代
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