少し時間が空いてしまいました。
お盆を境に嘘みたいに空も風も秋っぽい。また季節が変わっていく気配がしますね。さて…例の話ですが、まだまだ続いてます(笑)長すぎる内容に飽きてしまったら!普段のサロンの日常はInstagramからご覧ください♡フォローもお待ちしています♡
つづきです。
7、休職と家族と、自然
その決意とは、休職をして実家に帰って、しっかり休む、という選択だった。少しは学習していた為、自分の限界の手前の時点で判断し、会社や親に相談して、今回は実家に戻る選択をした。
どんだけ病んでるんだ…?!とツッコみたくなると思う。でも何よりも私が自分にツッコみたかった。いや、もはや心の中ではツッコんでいた。
こんな私の姿を見た親にどんなことを言われるのだろうとびくびくしながら、ボロッボロの状態で空港につくと、いつも通りの笑顔の母がいた。そして、父の運転で大好きなお豆富屋さんに行った。普段ならぺろりと食べ終えるお膳を全然食べれなくても、何にも言わずに見守ってくれていた。
産まれ育った家でよく寝て、図書館に通って本を読んで、絵を描いて、犬と遊んで、家の裏の土手とか、山の自然の中を歩いて、家で育った野菜を食べて、また寝て、1ヶ月が過ぎた。
私は産まれてから高校卒業までの環境を、何にも無い場所だって文句ばかりだった。
実際にコンビニまでは自転車で15分。
しかもその道のりは、街灯…らしきものはあるけど、文字通りの“暗闇”で、道の両脇は畑と大雨の時に水を流す為の人がすっぽり入れるくらいの溝、という、ちょっとしたアドベンチャー仕様になっている。ネットもWi-Fiがやって来るまでは1本という、THE INAKAの環境なのだ。
でも、そのなーーーんにもないと思っていたことが、大きな勘違いだと気がついた。
目が覚めた空の色や流れる雲は毎日違って、庭には名前も分からない美しい草花が溢れている。夜空に溢れるほどの星がある。川の流れる音、鳥の声。
毎日、毎日が、新しい。
何にも出来ないボロボロの私は、自然の色彩の豊かさと、眩しすぎてくらくらする情報量や人の多さでは聞こえなかった、自然の優しい音にどっぷりと染まりきって、ありのままを受け入れてくれている安心感に包まれながら癒され、もりもり元気になっていった。
自然のありのままのちからに丸ごと包まれて、私は自分を取り戻すことが出来た。
多分、私が“そろそろ東京に行こうかな”と思うタイミングで初めて「これからどうする?」と母から先のことを聞かれ、東京へ戻ることにした。この時、色々あってアルバイトをしていたけれど、当時の職場の方から「いつでも戻っておいで」と温かく送り出してもらっていたので、東京生活もまたスムーズに再スタートできた。
あの弱って何にも出来ない状態の時に、ただ傍にいて見守ってくれた家族と、実は、どんな時でも無条件で、どんな状態の私にも向けてくれていた豊かな自然の癒しのエネルギーに、本当に感謝している。
みんな、みんな、本当にありがとう。
そして、今考えたら「恩返ししたい、元気に生きるという裏付ける姿を見せる形で」という思いが湧いてきて、東京に戻ってからは、自分の体、心の仕組み、植物のちからに興味を持ち始め、本やインターネットで知識をがんがん読んで吸収した。
不調やストレスは、体内の流れが滞ったり、細胞間で味方を敵と間違って認識して攻撃することがある。
そうすると心は暗く重い扉に頑丈な鍵がかかっているレベルに閉ざしていること等を知った。そして、傷がかさぶたになって元に戻っていくように、本来、人はほったらかしてても自然と良い方向へ向かう【自然治癒力】という力をみんなが持っていることを知って、人間の持つ力に感動した。
私の体はよい方向へ向かおうとしてくれていたんだ。ヒントは山程あったのに観ようとしていなかったし、思いっきり真逆を走ってたことに気づいた。
ダイエットの為のあり得ない食生活、季節外れのファッションで体をキンキンに冷やして、知らなかったとは言えどもやっぱり、おおばかものだった。
新しい知識は、間違いに気づかせてくれ反省する機会を与えてくれた。
その時の私は、沢山の人の愛情と、優しい自然のちからと、過去の先人たちの経験を学ぶことで、まるで枯れた大地がごくごくと雨を吸収して、植物が育っていくみたいに、生き返る様に回復していった。
得丸稚代